tapetto04

キーを回すと電気自動車ではない限り
エンジンが音を立てながら始動します。

エンジン音文字で表現すると・・・
大抵「ヴォォン」や「ブゥーン」だと思います。

でも、通常音の中に「カタカタ」という
金属を叩くような音が聞こえますか?

エンジンは金属で出来ているから
「カタカタ金属音がなるのは当然だ」と
思われるかもしれませんが、
エンジンから通常音以外の音は
エンジントラブル前の前兆かもしれません。

特にエンジンから聞こえる「カタカタ音」は
エンジンが作動する上で重要な
バルブタペットが不調になっている
可能性があります。

バルブタペットの役割

tapetto05

参照:Wikipedia

 

バルブタペット ??
あまり聞き慣れない部品名ですよね。

エンジンバルブの開閉の要

エンジンバルブは、エンジンが燃焼を
行う上で必要な、吸気と排気を行う役割
を果たしています。

バルブを動かす機構は沢山ありますが
本記事では、燃焼室の上にあるカムシャフトで
バルブの開閉を行うオーバーヘッドカムシャフト
(OHC)をベースに説明します。

まずは下記の図を御覧ください。

tapetto01

吸気・排気状態
参照:http://xr250freak.blog55.fc2.com/

 

バルブの開閉は、
タイミングベルトによりカムシャフトに
動力が伝達されることで行われます。

  1. カムシャフトが回転(赤円大)
  2. 1により楕円のカムも回転する
  3. カムがロッカーアームを上に持ち上げる
  4. アーム先端のタペットがバルブを押す

タペット がバルブを押すことで、
バルブが開き燃焼室内の
吸排気を行うことが出来ます。

tapetto02

圧縮・燃焼状態
参照:http://xr250freak.blog55.fc2.com/

 

逆に、上図のように楕円のカムが
アームを持ち上げない状態になると
バルブはスプリングの力により
閉じてしまいます。

これにより燃焼室は密閉状態が保たれ、
室内の気体を圧縮・燃焼させることが
出来るのです。

つまり、エンジンが動力を生み出すための
4つの工程を行うには、エンジンバルブ開閉が
必須であり、その開閉のための動力伝達の要が、
バルブタペット と言えるのです!

しかし、常にバルブに動力を伝えているため、
相当の負荷がかかっているに違いありません。

では、バルブタペット にトラブルが生じると
どのような症状が出るのでしょうか?

バルブタペットの不具合

kuruma119

バルブタペット 自体は、
非常に小さな部品ですが、その役割は
重要なものです。

もしバルブタペットが、摩耗していたり
欠損していたりすると、
エンジンバルブの開閉
正しく出来ないからです。

実際、どのような症状が出るのでしょうか?

エンジンから異音

バルブタペットの不具合で一番多いのが
エンジンからの「異音」です。

こちらの動画を御覧ください。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=_qIkZPumBZk

『カタカタ音』が聞こえるでしょうか?

ボンネットを開けた状態で聞くと、
エンジン音などで聞こえにくいかもしれませんが
エンジン音と異質の音が混じっています。

もし、この異音が次の場合に聞こえるなら

  • 回転数に合わせて音の回数も変化する
  • 低速は聞こえる、高速は聞こえない
  • エンジンが始動直後に大きく聞こえる

バルブタペット音かもしれません。
何故、このような異音が生じるのでしょうか?

「カタカタ音」原因はエンジンオイル

タペットは、回転に合わせバルブを押すため
金属の性質上、摩擦音や打刻音が生じます。

そのため常に潤滑油、つまりエンジンオイルで
油膜を作って音を小さくしているのです。

しかし、オイル交換を怠ったり
オイルパイプ内にゴミ(スラッジ)が溜まり
オイルが潤滑できない場合、
バルブタペットとバルブの摩擦音や打刻音
大きくなり「異音」が生じる場合があります。

「カタカタ音」原因はタペットの隙間

その他の異音が生じる原因を説明いたします。
バルブ開閉を示した図をもう一度御覧ください。

tapetto03

実は、バルブとバルブタペットは、
完全に密着しているわけではありません。
若干の「隙間」があるのです。

何故、「隙間」があるのかというと・・・
エンジンが始動すると、エンジンは
高温を帯びるため僅かな熱膨張が生じます。

その熱膨張分のために、
バルブとバルブタペットには隙間があるのです。
この隙間を『バルブクリアランス』と呼びます。

『バルブクリアランス』は、エンジンによって
規程の隙間があります。
しかし、バルブタペットが摩耗して
規程以上の隙間ができると
バルブタペットがバルブを打ち付けるため
「異音」が生じるのです。

エンジンの出力低下

tapetto06

更にバルブタペットの不具合症状は
異音だけではありません。

規程の隙間が保たれていない場合
例えば、バルブタペットとバルブの隙間が
全く無い場合、エンジンが熱で膨張すると
圧縮・燃焼工程時にバルブタペットが
バルブを押し下げてしまう可能性があります。

圧縮工程でバルブが開いてしまえば
圧縮による混合気は作れません。
また、燃焼工程でバルブが開いていると
爆発した力が逃げてしまい、ピストンを
押す力が弱くなってしまいます。

つまり、バルブタペットの不具合は
エンジン出力の低下にも繋がるのです!

バルブタペット修理について

エンジンからの「異音」は
大きなトラブルの前の警告です。

「カタカタ音」に気が付いたら
大きなトラブルになる前に、
直ぐに修理をしましょう!

エンジンオイル交換で異音の改善

tapetto07

もし「カタカタ音」が聞こえたら
まずはエンジンオイルをチェックしましょう。

オイルゲージをチェックして、汚れていたり
5000Km以上交換していないようであれば
エンジンオイルの交換をおすすめします。

先程も説明したとおり、エンジンオイルは
油膜を張り駆動音を小さくしています。

エンジンオイルが劣化していたり、
油量不足だと、油膜を張ることが出来ません。

もし「カタカタ音」が聞こえたら
まずはエンジンオイルをチェックし
必要に応じて新品に交換しましょう!

バルブタペットの調整で異音の改善

tapetto08

参照:http://www.auto-r.com/sagyou/kcar/k6aoh/k6aoh-c/k6aoh-c.html

さて異音改善の方法は、
バルブとバルブタペットには隙間、つまり
『バルブクリアランス』を調整する
ことで改善されることが多くあります。

しかし、バルブクリアランス調整のためには
専用のゲージやエンジンごとの規程隙間など
専門的な知識と技術が必要です。
バルブクリアランス調整は、
自動車整備工場のプロにおまかせしましょう!

バルブタペットの改善費用

さて、バルブタペットの修理例を
簡単に紹介いたしましたが、
気になるのは「費用」です。

エンジンオイルの交換は、
高いオイルから安いオイルまであるので
一概には言えませんが、
標準的なオイルであれば、
工賃をあわせても3000円~5000円
比較的安く済むはずです。

バルブタペット調整になると、
分解整備が必要となります。

調整自体は、おそらく3万円ほどでしょう。
ただ部品取り外しに伴うパッキン交換や
その取付工賃などを考えると
合計5万円は掛かると思います。

『カタカタ音』すぐにプロに診てもらおう

tapetto09

バルブタペットは小さな部品です。
しかし、不具合が生じると異音だけでなく
エンジン不調に繋がります。

「カタカタ音」が聞こえたら、
「まぁ大丈夫だろう」と思わず
直ぐにプロに診てもらうことをおすすめします。

状態が酷くなれば、エンジンオーバーホールで
30,40万円の修理費も必要になり
そうなると車を乗り換える必要も出てきます。

エンジンから異音が聞こえたら
お近くの自動車整備工場で診てもらいましょう!