介護扶助の内容

生活保護受給者の中で、介護が必要だと認められた人は介護扶助を給付してもらえます。つまり、介護扶助とは生活保護を受けていても要介護、要支援認定されれば介護サービスが受けられる制度ということです。施設による介護サービスについては現物給付となっていますが、購入したり改修したりしなくてはいけないものに関しては現金給付となります。

扶助の内容は介護保険の給付内容と同じです。生活保護受給者の場合、社会保険に加入していなければ介護保険には加入できません。そのため、本来ならば10割負担になるものを介護扶助を利用することで負担しなくて済むようになっています。

ただし、他の法令によって何かしらの給付がある場合はそちらが優先され、はみ出した金額を介護扶助で補填するような形になります。

対象者

・生活保護受給者かつ受給介護保険の被保険者で、要介護・要支援と認定されている人

・40歳~64歳の医療保険未加入者で、要介護・要支援と認定されている人

対象範囲

介護扶助で対応できる対象は以下の8項目です。

・居宅介護

・福祉用具

・住宅改修

・施設介護

・介護予防、日常生活支援

・介護予防福祉用具

・介護予防住宅改修

・移送

要介護者はこの中の、居宅介護、施設介護、福祉用具、住宅改修、移送のサービスが受けられ、要支援者は介護予防・日常生活支援、介護予防福祉用具、介護予防住宅改修、移送のサービスが受けられます。また、移送というのは介護サービスを受けるためにかかる交通費などの項目です。

介護扶助の申請

申請の方法は自治体によって違いますが、必要な書類はだいたい同じようです。

・申請書

・ケアプラン(介護支援計画、介護予防支援計画)

・サービス利用票

・被保険者証のコピー

申請書には以下の内容を記入します。

・申請者の氏名や住所

・要保護者の氏名や生年月日、性別、住所、職業など

・保護が必要な理由

これらのものを準備し、住んでいるところの福祉事務所や福祉課に提出し申請します。また、介護認定を受けていない状態であれば介護認定の申請を先にしなくてはいけないのでご注意ください。

申請までの流れ

介護認定を受けてから介護扶助の申請をするまでの流れを確認しましょう。

1.介護認定の申請をし、認定してもらう

2.介護保険証が手元に届く

3.アセスメント、ケアプラン作成などを済ませる

4.申請が可能になり次第介護扶助の申請をする

5.福祉事務所が審査し可否を決定する

6.介護券の送付

7.指定介護機関からのサービス提供

介護券は介護扶助の証明になる大切なもの

介護扶助には証明書というものが存在しません。その代わり、福祉課から毎月介護券を発行してもらい、それを使って給付金を受け取ることになっています。

また、介護券には介護扶助を受ける人の名前や公費の負担割合、本人支払額、有効期限などが記載されています。つまり介護券というのは、介護扶助を受けていることを証明してくれる大切なものと言えるでしょう。

生活保護による介護扶助の限度額を超えたらどうする?

施設サービス・短期入所サービスについて、介護保険の加入、未加入の場合に分けて限度額分がどうなるのか見てみましょう。

介護保険加入者の施設サービスの場合

食費は介護保険から給付されます。特定入所者介護サービス費という扱いで、限度額までを被保険者が負担して、それを超えて基準費用額までを介護保険から給付してもらうことができます。その負担限度額分が介護扶助の対象です。

居住費では、生活保護受給者は多床室を利用することが原則となっていて、その費用の全額が介護保険から給付されます。ただし、空きがないなどの理由から個室の利用をすることになった場合は負担限度額が介護扶助の対象となります。

介護保険加入者の短期入所サービスの場合

短期入所サービスを利用するということは自宅で生活できているという判断がなされ、生活扶助が適用されます。そのため食費は介護保険から給付され、負担限度額分を生活保護受給者が負担します。

滞在費は、多床室を利用することが原則となっていて、その全額が介護保険から給付されますが、個室を利用した場合は自己負担となってしまいます。

介護保険未加入者の施設サービスの場合

日常生活費は生活扶助での給付となりますが、食費や居住費は介護扶助での給付となります。

介護保険未加入者の短期入所サービスの場合

食費は、介護保険の特定入所者介護サービス費にあたる部分が介護扶助の給付となります。ただし、限度負担額の分は生活保護受給者が負担します。

滞在費は多床室を利用することが原則ですが、その分は全額介護扶助での給付となります。何らかの理由で個室を利用する時は、介護保険の特定入所者介護サービス費にあたる部分を介護扶助で対応してくれます。